第15回公演「イル・トロヴァトーレ」

第15回公演
ジュゼッペ・ヴェルディ
「イル・トロヴァトーレ」

全幕(日本語訳詞上演)

オペラプロジェクト7
2003年8月31日(日)14時開演
新宿区立新宿文化センター
全席指定2000円

スタッフ

芸術監督/制作統括/演出
        ・・・・・八木原 良貴 
音楽監督・指揮
        ・・・・・野町琢爾
舞踊監督・振付
        ・・・・・藤井明子
舞台監督
        ・・・・・富田 聡
演出補
        ・・・・・内藤明日香
制作補
        ・・・・・佐藤祥子、高橋佳子、古屋文弘
美術・衣装
        ・・・・・面矢武彦、長谷部和也
日本語訳詞
        ・・・・・三浦真弓
練習伴奏
        ・・・・・遠藤ゆみ子、釜田雄介、佐藤祥子、橋本修一
照明
        ・・・・・寺西岳雄(マーキュリー)
音響
        ・・・・・小山和男(ワンダースリー)
大道具
        ・・・・・桜井俊郎(C-COM)
小道具
        ・・・・・高津装飾美術(株) 
ヘアメイク
        ・・・・・松本良輔(ヘア&メイク ラルテ)
記録
        ・・・・・(有)まじかるふぇいす

キャスト

レオノーラ(アラゴン公爵夫人付の女官:ソプラノ)
                          ・・・・・大津佐知子 
マンリーコ(吟遊詩人:テノール)
                          ・・・・・丹下知浩
ルーナ伯爵(アラゴン地方の貴族:バリトン)
                          ・・・・・上田純也
アズチェーナ(ジプシーの老婆:メゾ)
                          ・・・・・鹿島千尋
イネス(レオノーラの侍女:ソプラノ)
                          ・・・・・小柴亜希子
フェランド(衛兵隊長:バス)
                          ・・・・・榎本健太郎
ルイス(テノール)
                          ・・・・・利根川 聡
老ジプシー(バス)
                          ・・・・・木下圭一
使者(テノール)
                          ・・・・・釜田雄介
作品解説
                          ・・・・・ウーロン亭ちゃ太郎

ガレリア座合唱団・ガレリア座バレエ団・ガレリア座管弦楽団

ごあいさつ

ついに10年です。

先日、練習後の飲み屋で苦楽を共にしてきたメンバーとヨタ話に興じているうち、体力が落ちたとか、無理がきかなくなったとか、そんな話ばかりになり苦笑してしまいました。思えば座がスタートしてからしばらくは、土曜日から日曜日にかけての徹夜も平気で、その日曜の朝から丸一日。加えて月曜は普通に出社して、その夜も練習などというメニューがまかり通っていてのですから。まったく無敵の体力で突き進んでいたわけです。もちろん常人がオペラをやるわけですから、それなりの無理はあるにしても、ここ2〜3年は常識の線に近づいている気がします(ですから皆さん、やってみませんか?)。

でも10年は短かったですよ。あっという間。楽しいことって、そんなもんなんですね。練習場の空気や、本番後の団員の満足した笑顔は何年経っても変わりません。今回は第9回公演以来のヴェルディを取り上げました。中期傑作群のなかでもひときわ音楽的に充実している「イル・トロヴァトーレ」は、4人の中心ソリストはもちろん、合唱にも高い水準が求められる困難な作品です。練習の過程で、これほどまで美しく、そしてパワフルな作品に向き合う幸せと、その頂の高さをイヤというほど味わいました。いつも挑戦する姿勢を失わず、でも精一杯に努力して、少しでも良い舞台をお届けしたいガレリア・スピリットで、皆さまに楽しんでいただければと願っています。

また、この10周年事業に対しては、舞台芸術振興基金より助成事業の認定をいただくことができました(スタッフは狂喜乱舞!)。10年来、本番を迎える緊張感と演じる楽しさは、仕事帰りの中ジョッキにも匹敵する爽快感!こたえられませんっ!

真夏の気温をさらに3℃は熱くする新宿公演第3弾!間もなく開演です。どうぞ最後まで、ごゆっくりお楽しみください。

本日はご来場ありがとうございました。

         ・・・・・ガレリア座主宰 八木原 良貴

あらすじ

ジュゼッペ・ヴェルディ作曲
サルバトーレ・カンマラーノ台本
1853年1月19日 ローマ アポロ劇場にて初演

第1幕 

舞台は15世紀、内戦中のスペイン。ルーナ伯爵の城で兵達に、衛兵隊長のフェランドがその昔伯爵家を襲った忌まわしい事件を物語る。

先代伯爵には二人の息子がおり、弟の現ルーナは、幼い頃ジプシーの老婆に呪いをかけられた。老婆は火あぶりの刑に処せられたが、復讐を企むその娘によって兄がさらわれ、やがて処刑場の焼け跡に幼子の骨が見つかった。しかし、我が子の生存を信じた父の遺言で、ルーナは今も兄を探し続けていた。

同夜、女官レオノーラは騎馬試合で出遭い恋に落ちた騎士が、吟遊詩人の姿で逢引に訪れるのを待っている。素性の知れない相手に侍女イネスが不安をもらしてもレオノーラは耳を貸さない。

そこに現れた吟遊詩人マンリーコは、レオノーラに想いを寄せるルーナと鉢合わせ。
二人は内戦上の敵味方だったが、ルーナ伯爵はあくまで恋敵としての決闘を挑む。

第2幕

ジプシー達の住む山。

明け方、意気揚々と仕事に出かけたジプシー達の後に残るジプシー女アズチェーナと息子マンリーコ。かがり火を見つめ「仇を討て…」と謎の言葉を繰り返す母を問いただしたマンリーコは、アズチェーナの母が先代ルーナに殺された顛末を知る。

そのマンリーコも、先の決闘でとどめを刺そうとした瞬間、内なる声にとどめられてルーナの命を助け、後の戦闘によって逆にルーナ軍から瀕死の重傷を負わされていた。二人がルーナへの復讐を誓った矢先、誤ってマンリーコの死を伝え聞いたレオノーラが修道院に入るとの知らせが届き、マンリーコは母の制止を振り切って山を下りてゆく。

その頃、修道院にはレオノーラを我がものにしようとするルーナ伯爵が待ち伏せしていたが、間一髪で駆けつけたマンリーコが驚愕する皆の前でレオノーラを奪い、連れ去る。

第3幕

マンリーコ軍への攻撃を明日に控えたルーナ軍の陣営。士気の上がる兵士達をよそに、伯爵は恋の苦悩に苛まれている。

そこへマンリーコを探しに来たアズチェーナが引き立てられる。彼女こそ恋敵の母親であり、かつて兄をさらったジプシー女だと知ったルーナは、二重の復讐の好機を喜び、アズチェーナを囮にマンリーコをおびき寄せようと企む。

他方マンリーコの陣営では、マンリーコとレオノーラが永遠の愛を誓い合う。

直後、母がルーナ軍に捕らえられたのを知ったマンリーコは、
怒りに燃えて飛び出していく。

第4幕

母もろとも捕らわれたマンリーコが幽閉されている塔の前、忍んできたレオノーラは、我が身を捨てて愛する人を救うことを決意し、マンリーコの命と引き換えにルーナに身をまかせることを誓いこっそり毒を仰ぐ。

火刑の恐怖に怯える母をなだめるマンリーコ。彼を逃がそうとやってきたレオノーラを、その裏切りに絶望したマンリーコは罵倒する。彼女の真意に気づいた時はすでに遅く、彼女はマンリーコの腕の中で息絶える。

それを見たルーナが即座にマンリーコの処刑を命じるのを聞き、アズチェーナは叫ぶ。「マンリーコこそお前の兄…母さん、仇を討ったよ!」。ルーナはその言葉に絶望する。

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